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理想の働き方の答えは
自分の心の内にある
写真 (株)SUSUBOX代表取締役/工学博士
相部 範之
さん
あいべ・のりゆき ●1975年東京都生まれ。2005年筑波大学大学院博士課程システム情報工学研究科修了。05年経済産業省と情報処理推進機構の「天才プログラマー/スーパークリエータ」に認定される。筑波大学産学リエゾン共同研究センター研究員を経て、09年から科学技術振興機構若手研究者ベンチャー創出推進事業起業研究員、工学院大学情報通信工学科非常勤講師。10年もの作りのカフェ「FPGA-CAFE」をオープン。今年4月(株)SUSUBOX設立。著書にペンネームの「すすたわり」で『FPGA入門 −回路図とHDLによるディジタル回路設計−』がある。

 茨城県つくば市の「FPGA-CAFE/FabLab Tsukuba」は、コーヒーや紅茶を飲みながら、電子工作や基板の組み立てが楽しめるユニークなカフェ。

 店内にある数々の工作機械は、設計図や製造過程の情報をオープンにすることを条件に、誰もが自由に使えるようになっている。営業は日曜のみ。食事メニューはないが、毎週学生やデザイナーなど様々な人が訪れる。店主は相部さん、電子工学のエンジニアだ。

 「個人のクリエーターが開発成果を披露したり、居合わせた人同士で技術について気軽に語り合える場となっています」

 小学3年の時、工作教室で初めてはんだ付けを経験し、電子工作に夢中になった。大学院で電子回路の研究に携わり、その後独立。数年前、電化製品の開発に不可欠な電子回路を、従来の約10分の1のコストで作る技術を自ら完成させ、現在はそのノウハウをベースに各メーカーからの受託開発を行っている。

 「企業にも大学にも属さないのは、束縛されずにものを作りたかったから。とは言え、一人での作業だとどうしても発想が偏りがち。それがカフェのお陰で、分野の異なる方と出会い、刺激を受け、そこからアイデアが浮かんで開発が加速することも増えた。ユーザーニーズもダイレクトに拾えて製造に反映できるし、人脈も広がって新たなビジネスの創出にもつながりました。予想以上にメリットは大きいです」

 学生時代、母親が「どんな職業を選んでも良い」と言った。その言葉に勇気付けられ、以来、何をするにも「やりたいかどうか」だけを考えた。理想のワークスタイルにたどり着いたのも、やりたいことを選択し続けた結果だと語る。

 「と言っても、根っこにあるのは工作機械に触れていたいという思い。それだけで案外幸せ」と笑う。子どもの頃に味わった、工作や発明のワクワク感を持ち続ける。もの作りの新時代を拓(ひら)くのは、相部さんのようなエンジニアの純粋な情熱だ。

(11月13日掲載、文:井上理江・写真:南條良明)

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