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世界一を目指す気概が
さらに実力を磨き上げる
写真 (株)マテリアル 代表取締役
細貝 淳一
さん
ほそがい・じゅんいち ●1966年東京都大田区生まれ。15歳で定時制高校に通いながら多くの職を経験。その後20歳の時に営業職で町工場に入社し、26歳で現在の会社を起業する。「打倒フェラーリ」を合言葉に、大田区の町工場で立ち上げた下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会の委員長。昨年、1号機のソリに乗った女子チームが全日本選手権でベストタイムを更新し優勝を果たす。現在、男子用のソリの製作も進んでいる。

 氷上のF1と呼ばれるスポーツ、ボブスレー。競技で使用するソリはイタリアはフェラーリ、アメリカはNASAなど各国が威信をかけて製作しているが、これまで日本製はなかった。

 しかし昨年、東京・大田区の町工場が集まり「下町ボブスレー」と称するプロジェクトを立ち上げて、初のメード・イン・ジャパンのソリで五輪に参戦すると世界に挑戦状をたたきつけた。

 「小惑星探査機『はやぶさ』や新幹線などの部品を作ってきた大田区の町工場が、力を合わせて一つの製品を作り、世界にその技術をアピールしたかった」。そう語るのは、まとめ役の細貝さんだ。この地で、軽金属の仕入れから製作までを一貫して行う町工場を経営している。

 15歳で社会に出て、40種以上の職を経験。町工場勤務で顧客ニーズに応えるおもしろさに目覚め、アイデア実現のために26歳で起業した。

 「大事にしてきたのは、顧客の要望に応えるスピードと安心、安全、確実な仕事。そのために、世界的な技術結集地である大田区の地の利を武器に、自社にない技術や設備が必要な時は、周囲に協力してもらってきました」

 その恩に報いたい思いが、今回の町ぐるみの大きな挑戦につながった。ソリに使う部品の種類は多く、その性能が勝敗を左右する。これは、多種多様で精密な部品を作っているこの地域にとって、ぴったりの取り組みだった。

 「町工場が苦しい時代に、志ありきで始まった夢だからこそ、純粋に最高の技術を皆が持ち寄れます。お金がなくても知恵を絞ることでどれだけのことができるかを発信したい。僕は何事も目指すのは世界一。本気で挑み、出た結果の検証を繰り返し、たとえ99回失敗しても100回目に勝てばいい。そしてその結果に満足せず、次も勝つことこそが大切だと思っています」。本気で夢に挑み続けることこそが、目標を超えた実力を養う。

 (5月6日掲載、文:田中亜紀子・写真:南條良明)

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