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力の出し惜しみはしない。
どの場も1回勝負で臨め
写真 空間デザイナー/(株)アイケイジー代表取締役
池貝 知子
さん
いけがい・ともこ ●1967年東京都生まれ。日本女子大学家政学部住居学科在学中からインテリアコーディネーター養成スクールへ通い、設計事務所勤務などを経て、2004年に設立した会社を06年法人化し、(株)アイケイジー代表取締役に就任。05年から日本女子大学家政学部住居学科の非常勤講師も務める。手掛けた商業施設「代官山T-SITE」(東京都渋谷区)は11年12月オープン。著書に『空間演出家池貝知子の仕事と意見』がある。

 緑豊かな約4千坪の敷地に、「蔦屋書店」などの専門店が点在する複合施設「代官山T-SITE」。その建築の一大プロジェクトにあたり、クリエーティブディレクターとして空間造形を統括したのが池貝さんだ。

 「大人がくつろげる空間」というコンセプトのもと、知的で洗練された雰囲気の中にも、現代アートを飾るなど随所に遊び心が施されている。

 「嗜好(しこう)や価値観が画一的な空間より、雑多なものが共存している方がリラックスできる。だからあえて洗練され過ぎない空間を心掛けました」

 7歳までニューヨークで育った。母親は現地の人に倣い、季節ごとにカーテンや壁紙を替えて楽しんでいた。「そんな光景や、皆と違う方がヒーローになれるというアメリカ文化を経験したことが、今の私に色濃く影響しています」

 各人の個性を際立たせるやり方もアメリカで得たこと。例えば日本では、話し合う度に斬新だったアイデアの角が取れ、丸くなってしまうことがある。池貝さんはそれを嫌う。

 「T-SITEもイタリア人女性建築家の華やかなデザイン性と、日本人グラフィックデザイナーの硬質でクラシカルなテイストを徹底的に引き出し、積極的にぶつかり合わせることで驚きや感動、新たな何かが生まれるようにしました」

 普段は主に個人住宅の総合プロデュースを手掛ける。独立し一人で仕事をしていた時期もあったが、「いろんな人と組めば仕事は何百倍も広がっていく。今は、自分にない才能を持つ人たちと組んで仕事をすることが楽しい」と語る。

 とは言え意見は遠慮せずに言う。「建築物はクライアントのもの。いいものを作るためには平和的な解決なんて優先させてはいけない。考えやアイデアは全て出す。出し惜しみをしたり、省エネモードで臨んだりしたら失礼だと思う」

 どの現場も1回勝負の本番と捉え全力投球する。まろやかな笑顔の向こうに、揺るぎないプロ魂を見た。

(5月20日掲載、文:井上理江・写真:南條良明)

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