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失敗を恐れることなく
ゼロから有を生み出そう
写真 子供地球基金 代表
鳥居 晴美
さん
とりい・はるみ ●1955年東京都生まれ。白百合女子大学フランス文学科卒業。85年「ユニダインターナショナルスクール」を創立(2006年閉校)。翻訳会社などの経営の傍ら、支援が必要な世界中の子どもをサポートする「子供地球基金」を設立。物心両面での援助活動と共に、絵を描くワークショップで表現する大切さを伝え、その絵の収益で「子どもたちが子どもたちを救う」サポート事業を実現。クロアチアやカンボジア、日本の東北地方など世界12カ所に「キッズ・アース・ホーム」を設立。

 災害や戦時下など厳しい環境に置かれた子どもたちを支援する「子供地球基金」。その活動の特徴は、子どもたちが絵を描くことで心を癒やすと共に、絵の展覧会や商品化で得た収益を更に他の子どもの支援に充てる点だ。

 基金の代表を務める鳥居さんは、どんな危険な場所にも求めがあれば即刻向かうという。その心の支えになっているのは、世界中の子どもたちに表現する喜びを知ってほしいという情熱と信念である。

 情熱の最初の一歩を踏み出したのは約30年前。息子を入れたいと思える幼稚園が見つからず、子どもが自由に表現する力を育む理想の幼稚園を自らつくると決めた時だ。

 「当時の私は専業主婦で、資金も人脈もなく、一人で銀行を回り二十数行目でようやくお金を借りられました。小さくとも自分の思いを表現する場をつくったことで、現在の活動につながる多くの出会いやきっかけを得られたのです」

 支援活動で心がけているのは、被災地など混乱した現場に自ら入り、無駄のない支援を考え、軌道に乗るまでは自分たちが舵(かじ)を取って継続性のある活動につなげることだ。

 「様々な国で約25年間活動してきましたが、経験値は積み重なりません。訪問先の状況や人種、宗教、習慣、言葉などの違いに加え、同じ国でも政権が代われば何もかも変わり、毎回ゼロからの出発です」

 失敗はおろか命の危険にさらされたことも数知れず。現地の悲惨な状況にはいつも大きな衝撃を受ける。それでもめげないというその強みは、いつでも何もないゼロの状態に戻る覚悟があることだ。

 「ゼロになっても一を生み出す力があればいつでもまた始められる。私は過去の失敗は気にしないし、興味があるのは今日と明日のことだけ。生きることは瞬間芸術だと思っているので、大切に生きる今日と明日の積み重ねが豊かな人生をつくると信じています」

 失敗を恐れるより、無から有を生み出す力を育もう。

(1月27日掲載、文:田中亜紀子・写真:南條良明)

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