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得るものが必ずあるから
写真 一般社団法人インクルージョンネットよこはま 理事/ 臨床心理士
鈴木 晶子
さん
すずき・あきこ ●1977年神奈川県生まれ。2010年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。横浜市青少年相談センターなどを経て06年から特定非営利活動法人ユースポート横濱の常勤心理士。09年同法人事務局長、よこはま若者サポートステーション施設長。10年から内閣府のパーソナル・サポート・サービスモデル事業に携わり、事業体制強化のため11年に一般社団法人インクルージョンネットよこはまの設立に携わる。

 貧困や家族の問題、精神疾患、障害などの課題を抱えて自立できず、苦しむ人が増えている。臨床心理士でもある鈴木さんは、横浜市の団体に所属し、多様な経験を持つスタッフと共に困窮者一人ひとりに合った生活・就労の支援をしている。

 「例えば生活保護受給家庭の息子が高校を出て就職すると、働いた分だけ保護費が減らされ、一人で一家を支えなければならなくなる。結果、彼はいつまでも自立できず、貧困が連鎖していく。そんな社会の行く末が心配なんです」

 どんな家庭に生まれても、希望が持てる社会にしたい。自身も母子家庭に育ったからこそ、ひときわ思いは強い。

 人と関わる仕事がしたくて心理学を学んだ。臨床心理士になるため、大学卒業後2年間働き大学院へ進学。その時、恩師の紹介で8年間ひきこもる若者の家庭教師を始めた。

 「彼は人と接点がなかった分、映画や本には詳しく、自分の感性で豊かな世界を築いていた。素直に人って面白いものだなあって思ったんです」

 その後、若者を支援する機関で働き、生活困窮者を含めた多様な支援に関わっていく。

 相談者とのやりとりの中で過酷な現実を目の当たりにしても、決して落ち込まない。それは使命感ではなく、人との出会いを心底楽しみながら取り組んでいるからだと語る。

  「人が変化していく姿も、見ていて面白い。手応えを感じる瞬間です。ただ、燃え尽きないようオンとオフは分けています。だから仕事の時は相談者に集中し、不安の解消や、幸せになってもらうために何をすればいいのかということだけを考えます」

 一人で背負い込まず、困ったら周りにも相談する。「人からヒントを得ることって案外多い。若い人や困窮者にも伝えたいです。抱え込まず、もっと人に頼ってほしい、と。気持ちがラクになりますから」

 初対面でもホッとさせるような包容力のある笑顔。語りかける言葉も心強い。

(5月19日掲載、文:井上理江・写真:南條良明)

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