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米国で仕事と同じほど
私を夢中にさせたエジソン。
米国弁護士
ヘンリー幸田
さん
ヘンリー・こうだ ●コーダ&アンドローラ法律事務所代表。学習院大学理学部、明治大学法学部卒業、ペッパーダイン大学ロースクール特別課程修了。日系企業数十社の顧問で、日米知的財産権問題の権威として知られている。現在、創価大学ロースクール教授、東京理科大学知財学部客員教授。著書に『アメリカ特許事件ファイル』『ステイング・パワー』(発明協会)、『知的所有権で日本が勝つ日』(徳間書店)、『ビジネスモデル特許』(日刊工業新聞社)などのほか、米国特許紛争に関する論文多数。また、エジソン発明品収集家としても知られる。最新刊に『天才エジソンの秘密〜母が教えた7つのルール』(講談社)がある。

 日本の企業がアメリカ市場への進出を始めた1970年代、商業習慣の違いから訴訟を抱える企業が増えていったそうである。

 幸田さんは77年から米国で法律事務所を構え、多くの裁判を日本企業と共に戦ってきた弁護士だ。

 「それぞれの企業に見解の相違が生じるのはやむをえないことです。裁判にかけて第三者の判断を仰ぐのは、米国では当然のことですが、当時の日本企業には裁判への恐怖があった。そこにヘンリー幸田登場(笑い)。やはり戦友のような思いで仕事をしてきましたね」

 20代の頃に日本で英語を教えてくれた外国人女性が発想の豊かな人であったという。外の世界には思いもよらないことがありそうだと直感して渡米を決意。

 「米国で通っていた法律の学校で70歳を超えた級友がいました。思わず、なぜここにいるのかと聞くと、彼は弁護士になるために決まっているだろうという。それを実現させた。教育が画一的ではないことに本当に驚きましたね」。笑顔があふれる生き生きとした口調。好奇心に輝く目が印象的だ。

 その精力的な幸田さんが、仕事とは別にすっかりとりこになった趣味が、エジソン発明品の収集だった。取材当日、幸田さんのアタッシェケースの中には、本物のエジソンの電球が入っていた。美しくこぼれだす温かい光。フィラメントは京都の竹で出来ている。

 「初めての出合いは蓄音機でした。やはり温かく美しい音色、現在でも十分に使える機能。もう夢中になり、アメリカ中からエジソン発明品を集めると誓いました(笑い)」

 さらに映写機、トースター、コーヒーメーカーなど、信じられないほど多様な発明品を集めるうちに、好奇心はエジソン本人へと向かう。なぜ一人の人間にこれほどのことが出来たのか。

 「小学校を落ちこぼれ、耳も聞こえなかった。でも彼にはすばらしい母親がいて、学ぶことを共に楽しむ教育をし続けたのです」

 幸田さん自身が調べ続けたエジソンと母についての新たな発見。その書は熱い教育論になった。

(6月5日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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