メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ここから本文エリア

朝日新聞デジタル > 転職 > あの人とこんな話

朝日求人ウェブ
朝日新聞に掲載された求人情報
朝日新聞に掲載された求人情報
会員登録   会員登録すると直接応募やwebメールでの
送受信など色々な機能が利用できます。
ログイン  
パスワードを忘れたら ヘルプ
ご利用にあたって お問い合わせ
 
仕事に踏み出すには
誰にでもビジョンがいる。
(株)熊谷ソフトエンジニアリング代表取締役
尾形 鈴夫
さん
おがた・すずお ●1952年宮城県生まれ。81年熊谷ソフトエンジニアリング創業、85年(株)熊谷ソフトエンジニアリング設立。87年家具生産管理システム作成に着手する。88年以降も、運送業、楽器・講習販売、ゴルフ場、輸入品小売などの異なった業態のシステム構築に着手し、90年以降には、プラント建設型生産管理システム、電気工事型トータルシステム製作などへとその業態範囲を拡大する。96年技術派遣型業務を取り込む。99年東京浜松町に本社を移転し、2001年より建設業トータルシステムと、機械組み立て・部品供給生産管理システムに絞った販売計画に着手し、現在まで多くのトータルシステムを手がける。同社ホームページ http://kumagaya-soft.co.jp/

 経営者のためのシステム構築を手がけている、と尾形さんは明言する。一つの事業部に必要な営業システムではなく、新たに始まった事業分野だけのシステムを作るのでもなく、経営者がたとえば次の世代にそっくり経営の全容を任せられる本質的なものを開発するという。それが、25年間手がけてきたシステム構築の仕事でたどり着いた考え方である、と。

 「家具生産管理システムの作成からスタートして、運送業から建設業のトータルシステムまでほとんどの業態にかかわってきましたが、いつも私が突き詰めていったのは、これでこの会社はずっと倒れないでいけるかということでした。

 私自身にもかつて倒産の危機があり、そのときに考え抜いたのです。なぜ会社は傾くのか、経営に行き詰まるのか。それは経営者に見えないブラックホールがあるからと気づきました」

 それならすべての数字と状況がクリアに把握できる、集中コントロールセンターのようにすればいい。経営者が一人自室にいても判断を過らないシステムはできる。

 「でもそれだけでは、まだ足りない。最後に必要なのは本人のビジョンなのです。システムを作りながら、私はそこまで踏み込み、伝えなくてはいられなかった」

 尾形さんの話は実に面白い。企業は志とシステムで動くと熱く諭すのだ。そしてその両方を次の世代へ引き渡すように、という。

 「経営者も、これから仕事に就く若い人も同じです。目の前の利や情報だけで焦ってはいけない。自分が年老いたときにどこに立っていたいか。そのために自分なら何ができるのか。いつもそこがスタートラインなのです。自分自身のマーケティングができれば、必要な道具は見えてきます」

 まずは気持ちを固めること。自分の人生を見通す意識を持つこと。

 「これは長い時間をかけて、お客様が教えてくださったのですね。だから一度出会ったら親族よりも大切で、きずなが深くなってしまう。仕事は人生だからなのでしょう」

 最新のシステムと最強の人生訓を差し上げる、と語る不思議なツワモノである。

(6月12日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

さらに古いバックナンバー >>