メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ここから本文エリア

朝日新聞デジタル > 転職 > あの人とこんな話

朝日求人ウェブ
朝日新聞に掲載された求人情報
朝日新聞に掲載された求人情報
会員登録   会員登録すると直接応募やwebメールでの
送受信など色々な機能が利用できます。
ログイン  
パスワードを忘れたら ヘルプ
ご利用にあたって お問い合わせ
 
向上心というエンジンで
女性たちよ、仕事を極めて
ジャーナリスト/文化女子大学客員教授
渡辺 みどり
さん
わたなべ・みどり ●1934年東京生まれ。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網入社。報道・情報系番組を担当。1980年ディレクターとしてドキュメント番組「太・平・洋 新しい旅立ち――三つ子十五年の成長記録」を制作、日本民間放送連盟賞テレビ社会部門最優秀賞を受賞。その間、数々の皇室特番を手がけ、報道局エグゼクティブプロデューサー、副理事として活躍。90年退職し現職。著書に『シャネル・スタイル』(文春文庫)、『皇后美智子さまと雅子妃 平民妃10年の苦闘』(講談社+α文庫)ほか多数。最新刊に『人に愛される気品のマナー100』(家の光協会)がある。

 美しく伸びた背筋、ぴたりと決まった上品な帽子姿。シルエットを見ただけで渡辺さんと分かる「スタイル」を持った方だ。

 50年前にテレビ局に入社。辣腕(らつわん)のプロデューサーとして35年間活躍し、その後大学の客員教授として15年。執筆した書籍は34冊を超える。女性としてのその凄(すご)いキャリアにたじろぐが、渡辺さんは明るく華やいだ笑顔を絶やすことがない。

 「仕事は何年続けても面白いですからね。飽くことがありません。その時その時で全力投球してきましたが、特にテレビ局での35年間は、今日は何が起きるのかと緊張と期待で目を覚ましたものです」

 入社当時、報道の現場には女性一人。「みどり、行くぞ!」と言われればすぐに動かなくてはならない。脚立を担いで走る、事故現場へ飛ぶ。さらに何百人分ものお弁当の手配からゴム長靴などの準備まで、息つく暇もないほどだったという。そんな激務の中でも、自分の撮りたいテーマを見つめ、渡辺さんは番組制作で成果を上げていく。

 三つ子のドキュメント番組で大きな賞を手にしたのは40代半ば。その後、長期記録となる五つ子の番組で後輩を育て、昭和天皇の崩御報道でチーフプロデューサーに。

 「懸命に働いたから順風満帆、と聞こえるでしょ。ところが実は途中で、上司にきちんと評価されていない、と下克上を起こした人間です(笑い)。やはり女性ゆえに待遇が低かった。で、仕事の実績を書き上げ上申書を作り、上司を飛び越し社長に直訴したのです。退職の腹を決めてね。でも、これで状況は一変(笑い)」

 向上心を持って仕事をする人間こそ、企業や社会にとって大切だという思いがそこにある。「さらに女性としても成長してほしい。マナーも美しさも磨いて、生涯それを仕事に潜ませ、力にしていくことです」

 エレガントなツワモノ。私たちは、渡辺さんの背中を見て歩こう。

(7月9日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

さらに古いバックナンバー >>