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巨象が入れなかった路地に
新しいビジネス発想がある
ビジネスコンシェルジュ
ICT教育アドバイザー
尾花 紀子
さん
おばな・のりこ ●1961年東京都生まれ。跡見学園女子大学文学部卒業後、84年日本IBM入社。以来21年間、IT関連のマーケティング、プロモーション、経営者セミナー講師、コンサルティングなどを担当。グローバル企業IBMにあって、エンドユーザーの視点を貫く。途中プロバイダーに出向。オンライン・ショッピング・サイトなど多くのインターネット企画を成功させる。2005年から、顧客目線でITをコーディネートするビジネスコンシェルジュとして独立。共著に『子どもといっしょに安心インターネット』(全3巻/岩波書店)がある。オフィシャルサイト http://www.frey.jp

 パソコンが日本市場に登場した1980年代初め。時を同じくして新入社員として日本IBMに入社した尾花さんも、自ら希望してパソコンを活(い)かし、使いこなす仕事に突入する。

 IT関連のマーケティング、プロモーション、数多くのインターネット企画、コンサルティング。2人の子供の出産、子育ても、親の介護も乗り切ってきた21年間。

 「現場の最前線で時代の最先端を走り続ける仕事、ユーザーや消費者のニーズを実現する仕事が大好きでした。だから、IBMが本来得意とするジャンルの仕事や、企業のニーズを実現していく大規模なビジネスとはずっと無縁でした」

 ビジネスの全貌(ぜんぼう)を把握したくて、得意先経営者に指導する講師職に名乗りを上げる。得意だった教えることで学ぼうと考えたのだ。企業のIT戦略はもちろん、情報共有や危機管理など膨大な情報や事例と格闘する。

 しかしどうにも頭が消化してくれない、語れるだけでは意味がない。神経を締めつけるほど悩み抜いて約4カ月半。尾花さんに大きな気づきがやってくる。

 「私はずっと現場主義でやってきた。だから最前線で働く人たちの声、悩みを知っている。女性であり母でもある。経営者には見えない下からの視点こそ、私が伝えることではないのか。巨象が入れない路地を歩いてきたことが役に立つ時だ、と」

 ピラミッドのてっぺんばかりをにらんでいた肩の力が抜けた。すそ野には数え切れないヒントや発想があふれているではないか。

 「企業が数だけで競う時代は終わり、利益率の拡大を目指す時代。不可欠となるのは付加価値です。人々をじっくり観察し、彼らを幸せにするための気づきや発想が鍵になる。固い頭を柔らかくしなくてはなりません」

 目を輝かせ、せき止められない勢いがほとばしる。消費者の求めるものを心を込めて探すこと。それが明日の企業の姿だと尾花さんは言い切った。

(7月31日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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