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環境意識の高い企業へ、環境マインドを持つ人材を派遣する。この独自の方針は安井さん自身が打ち立てたものだ。起業を果たしたのは13年前。時代が求めるものとぴたりと重なる。
「川崎の工業地帯で生まれ育ちましたから、空気や水が汚れていく様子を体で感じていたのですね。ぜんそくで苦しむ級友もいて、環境汚染という意識はなくても原体験がありました」
環境にかかわる仕事は理系が中心となる。化学、健康、住宅などの専門能力を持つ人材を抱えるが、安井さんの視点は人柄やライフスタイルなども含めて、その本人丸ごとに注がれる。
「どのような仕事でもそうですが、学校で学んだ知識があるとか、スキルが高いから自分はいい仕事ができると思い込むのは早計です。働くというのは、自分の人生の経験や人間性、感受性などのすべてを動員する総力戦なのですね。
知識や技術で仕事をし、私生活や個性は別のものと分けてしまったら、本当の働く面白さに出合えない」
さらに、自分の仕事が社会にどのような形で役立つのかをきちんと自覚しないと、パワーが出ないそうである。
「仕事の意義をまず本人が理解し、社会とつながっていることを理解する。そうなると意欲がふつふつとわいてくるのです(笑い)。そこからが本当に楽しい。そして働くことが面白いから人生が充実するという実感を掴んで欲しい」
華やかで明るい安井さんだが、話すほどに熱さがあふれ出してくる。履歴書がどれほど立派でも、面接してその人の心が見えなければ派遣紹介はしないという、その徹底した方針には一人ひとりを輝かせたいという思いが凝縮しているようだ。
「例えば子育ても職歴だと思います。その経験がどれほど次の仕事に役立つことか」
安井さんの言葉に「人材」の意味が立体的にふくらみ、かけがえのない存在に見えてきた。
(9月29日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)
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