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脳は力を出したがっている。
全力で使ってあげなさい
写真 日本大学大学院総合科学研究科 教授
林 成之
さん
はやし・なりゆき ●1939年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。89年日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター科長に就任し、救急治療に取り組みながら、脳死寸前にある多くの患者の生命を救った「脳低温療法」など、世界にその名を知られる数々の画期的な治療法を開発して大きな成果をあげる。日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授を経て2006年から現職。主な著書に『〈勝負脳〉の鍛え方』(講談社現代新書)、『望みをかなえる脳』(サンマーク出版)など。近著に『ビジネス〈勝負脳〉』(ベストセラーズ)がある。

 10分間の処置判断が生死を分ける救急救命の現場で、多くの患者を死のふちから救ってきた世界的な医師である。脳死寸前の生命を救う「脳低温療法」を開発するなどその貢献は計り知れない。

 また北京五輪の水泳チームに脳医学の立場から指導に当たり、最高の結果へと導いた。脳医学がスポーツの可能性を開くことを実証した研究者でもある。

 「人間の肉体も行動も意識も、脳が動かしているわけですから、脳は何を求めて機能しているかを知り、それに従っていけば、私たちは素晴らしい力を出せるのです。

 このことに思い至るまでに長い年月がかかったし、脳の考える仕組みを突き止めるために気の遠くなるような研究時間が必要でした。でも、考えを生み出す脳のメカニズムは解明しました」

 林さんはそのメカニズムを説明してくださったが、その目の覚めるような詳細は著書に譲る。ここでは、スポーツだけではなくビジネス、医学、文化、リーダーシップなどすべての根幹を成すエッセンスをお伝えしたい。脳を喜ばせ力を出してもらう四つの約束は、1.前向きで明るく、2.悪口を言わず、意地悪をせず、3.面倒見よく、4.できない、難しいなどの否定語を決して使わない、である。思いのほかシンプルだが、実行するのはなかなかきついそうである。

 「さらに、脳は目標がないと動けないから具体的に与えることも大切です。そして人格が変わるくらい気持ちを入れ、迷いなく全力でやること。試してご覧なさい。脳が喜んでいるからすごく気持ちが良くなるはずです。

 また脳は、立場の違いや意見の違いを認めながら共に生きることを守ろうとしている。つまり本当に頭が良いというのは、柔軟で素直であることに尽きるのです」

 それが脳の仕組みであったとは、不思議な気がする。「こんな素晴らしい脳が一人に一つ付いている。極限まで使いましょう」と林さんは愉快そうに笑った。

(2月2日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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