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音を立てて発展する中国で
建築の可能性を追い続けたい
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SAKO建築設計工社 建築家
迫 慶一郎さん
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さこ・けいいちろう ●1970年福岡県生まれ。東京工業大学大学院修士課程修了後、山本理顕設計工場勤務。勤務最後に担当したプロジェクトをきっかけに2004年北京にてSAKO建築設計工社を設立。建築設計とインテリアデザインを中心に5年間で50を超えるプロジェクトを、日本、中国、韓国、モンゴル、スペインにて手掛ける。04〜05年文化庁派遣芸術家在外研修員、米国コロンビア大学客員研究員。日本最大級の書店「金沢ビーンズ」設計にて08年度グッドデザイン賞受賞。主な著書に『28の主題 迫慶一郎の建築』(TOTO出版)など。 四川大地震後自ら発起人となり、被害を受けた小学校の再建を今年5月の竣工を目指して推進中。日本の耐震技術を用いた「春風日中友好小学校」の建設のため個人と企業からの義援金を募っている。詳細はHP(http://www.sako.co.jp/)にて。
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都市のランドマークとなる建築物を依頼される。それは建築家として胸躍る目標の一つではないだろうか。その刺激的な仕事を次々とかなえているのが迫さんである。国内外で5年間に50を超えるプロジェクトを手がけるというこの実績は驚異的だ。
わずか5年前、かつて勤務していた建築設計事務所の中国での大型プロジェクト「建外SOHO」のリーダーとして、巨大な施設と街区の構想・設計・建設を成功させた。
「北京の中心業務地区に位置する、総延べ床面積70万平米に及ぶ複合開発でした。集合住宅、オフィス、店舗が複合し、昼間の想定人口は5万人。本当に目のくらむような規模です。ここで僕は、人の数倍の体験をしたと思います」
竣工のめどが立って退社し、コロンビア大学の客員研究員として渡米する矢先に、迫さんの手腕にほれ込んだ中国側から、浙江省金華市に予定している1万平米の交通局庁舎ビルを手掛けないかと声が掛かる。コンペではなく直接指名だ。
「高度成長期の中国の、その時代の真ん中に今自分はいるんだと興奮しました。すごい扉が開いたと」
規模の大きさ、ランドマークとしての主張の強さなどの課題に加えて、文化や現場での慣習の違いが手ごわいと迫さんは言う。だがそれも才能ある建築家にとっては乗り越えがいのある壁だった。仕事の依頼は増え続けている。
「建築家として一つの主題を確立し、それを追い求める生き方も尊敬しています。ただ僕は、今の自分に与えられたこの機会にいくつもの可能性を追求してみたい。行ける所まで走ろうと思います」
迫さんの手掛けた主題をあげてみよう。「金華キューブチューブ」「済南ストライプス」「北京モザイク」「杭州ロマンチシズム」、まだまだある。いかにも新しい。さらに迫さんは建築家の立場で、四川大地震で崩壊した小学校の再建ボランティアにも奔走する。今、目の離せない人である。
(2月16日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)
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