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自分の嫌な部分も引き受け
この「私」から始めたい
写真 女優
マイコ
さん
●1985年東京都出身(米国シアトル生まれ)。資生堂の企業CM「新しい私になって」編を経て、現在は「REVITAL GRANAS」のCMに出演中。2008年『山のあなた〜徳市の恋〜』(東宝)のヒロイン役で映画デビュー。09年2月28日公開の『カフーを待ちわびて』(エイベックス・エンタテインメント)でもヒロイン役幸(さち)を演じている。

 繊細な静けさをたたえたミステリアスな印象。モデル時代にCMでその個性を見いだされたマイコさんは、女優として日本映画の中で花開いた。初出演作と2作目共にいきなりのヒロインである。しかし、そんな恵まれたスタートを切りながら、自分に自信が持てない深い悩みを今も抱き続ける。

 「10代の頃は自分が嫌いで仕方がなかった。容姿も性格も嫌悪していたし、学校生活もつらかった。でも、ごく普通の女の子のように芸能界にあこがれてもいて、必死で自分を変えるためのノートを付けていました」

 スカウトやオーディションの経験もあるが形にはならず、アパレル企業で販売員のアルバイトを3年間続ける。接客は楽しかったそうである。だが、アルバイト仲間が事務所を紹介してくれて、夢をあきらめきれないマイコさんの背中を押した。幸運にもそこから仕事が動き始める。

 「何もできないアルバイトの女の子が、大それた夢を持っている。それを仲間に言うのが恥ずかしかったのは事実です。でも、笑われても勇気を出して言葉にすると誰かが心に留めておいてくれるのですね。その大切さを若い人に知って欲しいと思う」

 初めての映画出演では、ただただ何も分からず、指示されるままその場で動く以外にすべはなかったそうだ。しかし、台本にある1行のせりふを言うために、その役の境遇や性格、時代背景など行間を広げていく難しさと面白さ。短期間でいかにも濃い時間を共有し、終わればバラバラに解散する映画作りの切なさに、マイコさんは、ここが自分の居場所だと強い愛着を持ったそうだ。

 「今も自分を好きになれたわけではないし、何とかしたいところばかり。でも嫌いな自分を一度丸ごと受け入れてから、一つずつ克服すればいいと思えるようになった。女優の仕事で役の力を借り、自分を育てていける。きっとどんな仕事も『役』であり、それを精いっぱいやり遂げることで、人は成長するのかも知れません」

 その気付きに女優力を感じる。

(3月2日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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