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もうダメだと思いつめた時
乗り越えた人の体験が効く
写真 「生きテク」サイト代表
オキタ リュウイチ
さん
おきた・りゅういち ●1976年徳島県生まれ。早稲田大学人間科学部中退。2007年9月「生きテク」サイトを立ち上げ、自殺者激減の実績を出すべく、啓蒙(けいもう)活動を実施。その功績が認められ、08年社団法人日本青年会議所・NPO法人人間力開発協会が主催する青年版国民栄誉賞「人間力大賞」「厚生労働大臣奨励賞」受賞。慶応義塾大学、駒澤大学などで「生きテクの社会的課題解決アプローチ」をテーマに特別講義を行い反響を呼ぶ。07年から世田谷区こころの健康専門部会委員も務める。著書に『生きテク −死ぬ技術はもういらない! 8種類の問題解決法−』(PHP研究所)がある。公式サイト http://ikiteku.net/

 減少する気配を見せない自殺者の数。昨年もまた3万数千人を数えた。問題は大きく重い。しかしオキタさんが主宰する「生きテク」サイトを見て非常に驚いた。このサイトを読んで自殺をやめた人の2008年1月からの累計人数が表示されている。本人が自ら伝えてくるのだ。一日ごとに増え続け、すでに1万1千人を超えていた。

 「誰だって人生が苦しくなって、ああ死んだら楽だろうなと思ったことはあります。今の世の中には死ぬ情報があふれているから、自殺の方法を五つ挙げよと言えば、たとえ小中学生でもすらすらと言えてしまう。事件は詳細に報道され、私たちは簡単に死を刷り込まれてしまう。

 でも、実際には自殺した人の何十倍も、死の直前に解決し生きている人がいる。その人たちの体験を悩んでいる人が知ったら、どれだけ支えになるだろうか。そう考えて生きる技術と体験を寄せてもらうサイトを作ったのです」

 そこから自分の悩みに近い事例を探して読んで欲しい。きっと思い当たることがあり、心の在りようを転換することができると。

 オキタさんのすごさは自殺の要因を八つ、解決法を八つに分類して例示したことだ。要因は「恋愛」「過労」「病気」「いじめ」「死別」「暴力」「借金」「その他」。そして体験者の投稿に基づいて、自殺を乗り越えた解決法も八つの項目に分けた。人との出会い、法律や制度の力、場所を変える、体を動かすなど。そこには生々しい気持ちと、苦しみをリセットしていく姿が克明につづられている。希望が見える。

 「生きていく気持ちになれる方法を誰もがすらすらと言えるようになって、自殺からするりと逃げていって欲しい」

 この発想、実行力。問題があるなら解決しようという若い知性に脱帽する。

(2月9日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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