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体はどこかで頑張っている。
もっと自由にしてあげたい
写真 ロルフィングムーブメント インストラクター
田畑 浩良
さん
たはた・ひろよし ●1963年生まれ。島根大学農学部農芸化学科卒業、同大学院農学研究科農芸化学専攻・修士課程修了。87年(株)林原生物化学研究所に入社。98年米国コロラド州のThe Rolf Instituteから公認ロルファーとして公式認定され、ロルフィングの施術を開始する。2002年アドバンスロルファー、09年日本人初のロルフィングムーブメントの教員として承認される。ホームページ http://www.rolfinger.com/

 人の体というのは、自分が意識しているよりずっと奥の深いものらしい。田畑さんは澄んだ静かな声で言う。

 「私たちは狭い産道を通って生まれてくるので、かなり体を折りたたんでしまうのですが、その時のストレスが大人になっても残っているほどです。それ以外にも精神的な苦痛を受けたり、病気をしたり、けがをしたりといったさまざまな要因が体に影響を与えています。

 もっとも、本人は治ったと思って自覚のない場合が多いのですが、時がたってから不調となって表れてくるのですね」

 ロルフィングは、ハンドワークによってその身体構造を整え、流動性、応答性、連続性といった高い統合状態を引き出して、心身の可能性を導くプロセスなのだという。「動きを許す」とも言うそうだ。米国人の女性生化学者、故アイダ・ロルフさんによって提唱され、現在は「米国におけるマッサージ&ボディーワーク療法国立資格取得委員会」が認めた教育機関がある。難関である公認ロルファー取得を目指してここに世界中から人が集まってくる。

 「もともと生物化学が好きだった私は、大学も就職先も化学分野を選びました。でも実は、子どもの頃に交通事故に遭ってけがをしたせいか、いつも体に違和感があったのですね。普通の生活には何も支障なく成長してきたのですが、どこかがフリーズしている感覚が残っていてこれをほどいてくれるようなボディーワークにずっと関心がありました」

 ロルフィングの存在を知ったのは就職してから。引かれるものがあって、仕事を辞め、日米を行き来して解剖学、生理学などを学び続ける。履修カリキュラムは何と780時間を超えた。さらに何度かの論文提出を経て公認に。気の遠くなるような道のりだった。

 「でも施術を続けていると、相手の方が輝く瞬間があるんです。脳梗塞(こうそく)で半身がしびれた方などに、ああ、自分の体が返ってきたと喜ばれたり」

 体の声を聞きたくなった。

(10月4日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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