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生意気でもいいではないですか。
ザ・ボディショップジャパン特別顧問
蟹瀬 令子
さん
かにせ・れいこ ●福岡県生まれ。1975年上智大学文学部英文学科卒業、米国ミシガン大学留学後、(株)博報堂入社、第三制作室コピーライターとなる。87年同コピーディレクター。米国ミシガン大学ビジネス学科にて企業戦略・マーケティングを学ぶ。88年博報堂生活総合研究所主任研究員、90年第四制作室コピーディレクターなどを経て93年クリエーティブ・マーケティング会社設立。99年から自然派化粧品ブランド「ザ・ボディショップ」を運営する現職へ。経済同友会幹事など公職多数。ホームページ(http://www.the-body-shop.co.jp)

 6年前、業績が悪化した自然派化粧品ブランドを立て直す経営者として、蟹瀬さんに白羽の矢が立った。回復はめざましく、現在全国に110店舗。業績も好調さを取り戻し、消費者が選ぶ人気コスメで必ず名が挙がる。だが、その絶頂期の今、社長職を退き、特別顧問になるそうだ。

 「私はずっとそうしてきたのです。経営が順調で余裕ができたからこそ、次の人に渡したい。理由はふたつ。今なら次期経営者は落ち着いて自分なりの方法論を考えられるから。それから私自身が居心地のいい場所で安穏としたくない」

 キャリアのスタートは広告代理店のコピーライターだった。順調にディレクターになった頃には2人の子供にも恵まれる。ところがディレクターの仕事はビジネスを大きな視点から見なくてはならない、と気づき、マーケティング戦略を学ぶためにアメリカに留学する。家族そろって。

 その数年後に、広告業界ではクリエーティブ・マーケティングという新しい発想が話題になるが、震源地は蟹瀬さんだ。やがて自社を設立。評判と業績が高まる中で、白羽の矢、となる。

 「私はいつも、樽(たる)を持つというイメージでいるのですね。最初に、自分の能力よりはるかに大きい樽にすっぽり入る。ブカブカなのですき間を埋める努力をするでしょ。やがて窮屈になると、さっさと捨てて次の大樽に入るの(笑い)。樽は外から与えられることもある。そういう時に、これは大きいと思っても迷わずイエスと言って引き受ける」

 ヤドカリの生態のよう。優雅な容姿からはうかがい知れない挑戦者でもある。社会人になって5年間は、とにかくハチャメチャに暴れなさいと過激な発言。面白い。

 「修業期間だから大目に見てもらえる。その時にソツのない、人受けのいい社会人をめざしてはダメです。人目など気にせず、叱(しか)られながらでも、思うことはやってみるのよ。たぶん協調性がないと煙たがられるけれど、仕事さえちゃんと見てやり抜けばいい。ブレないこと」

 嫌われるかもなどと、至近距離で自分の行動を抑えるな、とも。あなたの樽はもう小さくなっていませんか。

(4月25日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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