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演技にはゴールがない。
生きるのと同じですね
写真 女優
藤井 美菜
さん
ふじい・みな ●1988年生まれ、新潟県出身。小学生時代から舞台を経験し、2005年にCMで映像デビュー後、多くのCMに出演し、キャンペーンのイメージキャラクターなどで注目される。06年『シムソンズ』で映画デビュー。『未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』『犬と私の10の約束』『恐怖』など話題作に出演が続く。ドラマでも「ブラッディ・マンデイ」ほか出演多数。初めての時代劇に挑んだ映画『武士の家計簿』が12月4日から公開中(http://www.bushikake.jp/index.php)。

 りりしい。それが藤井さんの第一印象だ。美しさも愛らしさも際立っているけれど、この若さでは珍しい「覚悟」のようなものを放つ人。

 小学生のときに気軽な気持ちで参加した地元の市民ミュージカル舞台で、演じる楽しさを覚えたという。そして映像の世界でも演じてみたいと夢を抱く。

 「そのためには東京に行かなくてはと思ったんですね。まず学校を東京にしようと決めて、中学の3年間は必死に勉強しました(笑)」

 願いは叶(かな)い、映像の仕事がCMから始まった。名だたる企業に起用され、やがてテレビドラマや映画の出演へとつながっていく。そのプロセスで藤井さんは考え、分析したそうだ。

 「舞台は練習に練習を重ね、みんなで作り上げていくもの。映像は個人の瞬発力が求められるもの。私は自分でそう理解しました。一言で演じるといっても異なった表現方法が大切だと」

 では、そのために何をどうすればいいのか。先輩の俳優さんたちをじっくり見て学びながら、自分の内面を掘り下げていく努力が必要だと思い至る。トレーニングやアドバイスは受けても、基本は「とことん自習」。現場ではワンシーンが終わるごとに、撮影されたばかりの映像を確かめに走るそうだ。自分では表現できたと思うことが、カメラを通して見るとできていない悔しさ。

 「きっと、演じ続ける限りそれを追求することになるのでしょうね。これで満足ということのない仕事だと思います」

 初めての時代劇で、かつらをつけ着物を身につけてみて、役のスイッチが入る体験をしたという。赤子を抱えながら、生きて帰るかどうか分からない夫を待ち続ける若い妻の心に滲(にじ)んでくる不安。藤井さん自身の中には存在しなかった気持ちが、五官から感じられることの不思議を語ってくれた。

 自分を「頭で考えるタイプ」と言いながらも、みずみずしい意欲がほとばしる女優である。

(12月6日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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