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問題を解きほぐし、進む。
不毛の会議も変える技あり
写真 堀公俊事務所代表/組織コンサルタント/
日本ファシリテーション協会フェロー
堀 公俊
さん
ほり・きみとし ●1960年兵庫県生まれ。84年大阪大学大学院工学研究科修了後、大手精密機器メーカーに入社。2001〜03年関西大学商学部非常勤講師(組織行動学)、同年NPO法人日本ファシリテーション協会設立、初代会長に就任し、現在は同フェロー。堀公俊事務所代表。主な著書に『ファシリテーション入門』『ワークショップ入門』(共に日本経済新聞出版社)、『問題解決ファシリテーター』(東洋経済新報社)、『今すぐ使える! ロジカルシンキング』(PHP研究所)他多数。連絡先 fzw02642@nifty.ne.jp 日本ファシリテーション協会 https://www.faj.or.jp/

 根回しが済んでいる、ただ会議の姿をした通達会になったり、企画会議と言いながら各人が企画を持ち寄ることなく雑談するだけで終わったり。達成感のない会議やミーティングを経験することはないだろうか。企業内だけではなく、町おこしなどの地域活動でも、立場の対立が感情的なしこりとなって停滞するケースは珍しくない。

 こういったチームでの問題をほどき、解決を促進していく手法がファシリテーションだという。アメリカで生まれたスキルだが、それを日本の文化や国民性に照らし合わせて練り直したのが、堀さんだ。

 「日本のあちこちで行き詰まっている現場を見聞きしませんか。仕事場だけではない。学校も家庭も硬直している。日本人は上からの指示に慣れてしまっているし、言わぬが花という文化もあり、発言しにくい。

 でもみんな本当は力を合わせて何とかしたい。そしてよい方向へ進むために自分の力も使って欲しいんです。誰かしっかり仕切ってくれよ、という声が聞こえてきます(笑)」

 もちろん昔から、鮮やかに混乱を収拾して事態を前へ進める人はいた。誰に教えられたわけでもなく、問題の本質を見抜き、公平にとことん意見を聞いてそれをまとめ、納得できる新たな着地案へと導く知恵者。堀さんの団体ではそれを「ファシリテーターの天然物」と言う。

 天然物でなくとも、例えば新入社員時代に駆使できる技はこうだ。

 「この会議の決定は違うと感じた時、『すみません、よく分からないんですが、そもそもこれはなぜ必要なのでしょうか』と、無知なフリをして本質的な問いを投げる(笑)。そうやって会議を振り出しに戻し、前に出て『こういうことですか』と軌道修正していく。

 こういったファシリテーションの手法は学べます。つまり『養殖物』になればいい(笑)。ファシリテーションの観点を持って会社や地域に戻れば、こんがらがった状況が見えてくる。一人ひとりの思いを活(い)かして、協働する道筋を作れるようになりますよ」

 縁の下の力持ちである。

(2月28日掲載、文:田中美絵・写真:南條良明)

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