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「あなたを育てるのは自分だ」
 秋山進が語る仕事―4
写真
プロの一人になるために

仕事力を研ぐ教科書
『ゴルゴ13』

 企業に勤務しているか、独立しているかに関係なく、仕事をするからには個人としてプロフェッショナルの技術を極め続ける。それが最も大切なことだと思っていますが、私の指針となっているのが劇画『ゴルゴ13』ですね。

 主人公の職種の是非はひとまず棚上げしていただくとして、プロフェッショナルとして自身の仕事を完遂する技量とその価値観は、厳しくも理にかなっていて実に学びが多い。もちろん誰でも最初は失敗をし、とてもプロフェッショナルとは言えないところからスタートするわけですが、しかし目指すための道筋を知っていれば、歩き方が変わってくるはずです。

 ゴルゴの仕事の哲学でまずお伝えしたいのは「専任にならない」ということ。個の技術者としての自分を確立するために、技量を徹底的に高め、社会から求められる存在でいる大切さです。会社に勤務していたらそんなことは言っていられないという声が聞こえてくるけれど、一つの組織ルールだけに従属する技術ではなく、社会に求められる技術を磨くこと。自分の技術分野の主人は自分ですからね。

 そして「臆病である」こと。自分の居場所を安全だと思い込むのはリスクです。想定外のことがあるかも知れない。それを見込んで準備し、その上で果敢に挑戦することが大事です。準備はいくらやっても、し過ぎるということはありません。

 他にも『ゴルゴ13』の教えはいくつもありますが、プロフェッショナルは、自分の専門以外の仕事でも技術者として相手の力量を見抜きます。これが最も怖い。けれど、力があると分かれば「こいつはできる」との尊敬が生まれ、信頼につながるのです。

次は頑張る、は無い

 仕事の世界では、ずっとアマチュアでいることはできません。未熟なうちはあなたを鍛えてくれる仕組みがあるだろうし、失敗も経験と大目に見てくれるでしょう。周囲がサポートして未然に損失をカバーしてくれるかも知れない。しかし自分の能力を用いて成功につなげられないなら、恥ずかしいし、悔しいですよね。「次は、頑張ります」という言葉は、間違いなく「まだプロフェッショナルではありません」という宣言です。

 その時に考えるべきは、どこまで行ったら一人前なのかですが、私は「依頼された仕事を失敗しない」ことだと思います。上司から指導されたやり方だけでは足りないかも知れません。自分で情報を集め、愚直に、忠実に、必要なピースを手に入れる。自分ができるかどうか不安があっても、持てるものを総動員して目的を成し遂げる。それが仕事をする幸せなのだろうと思います。

 自分を「ある分野の技術者である」と定義できると、自分のルールでその仕事力を高めていくことができます。どこで必要とされるか、どのように役立てるか、見えてきますからね。私が真面目に『ゴルゴ13』から学ぶのは、プロフェッショナルは役に立つのが当たり前、その上で自立し、日々、自分を律するという二つのジリツを高い次元で達成しているからなのですね。(談)

あきやま・すすむ ●プリンシプル・コンサルティング・グループ(株)代表取締役。国際大学GLOCOM客員研究員。1963年生まれ。京都大学卒業後、(株)リクルート(現リクルートホールディングス)に入社し事業企画に携わる。2008年から現職。経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、人材育成などを提供。麹町アカデミア(株)学頭。近著に『「一体感」が会社を潰す −異質と一流を排除する〈子ども病〉の正体−』などがある。