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「男も女も一生稼ごう」
 西原理恵子が語る仕事-3
写真
自由であるために

人は誰でも仕事を
手放してはいけない

 人生には思いがけないことが起きます。世の中にはつぶれない会社はないし、病気にならない人間もいない。だから家庭の稼ぎ手は、大黒柱一本ではなく、夫も妻も収入を得られる二本の柱のほうがいいと思います。夫が長患いをしたら、家のローンと子どもの学費、食費をどうするのか。それを考えると、夫婦はリスクヘッジを頭に置いておきたい。そして若い女性も仕事は生涯続けるものだと覚悟して欲しいのです。

 私は同年代の40代、50代世代の女性が、人生の後半になって、納得のいく仕事にカムバックした例が少ないと聞いています。働く場所がないのは残念なことです。そして家庭が壊れていくのもたくさん見てきました。今この世代の人に向けてのアドバイスが見つかりません。酷な言い方をすれば、遅かったということ。でも、親として次の世代は変えていきましょう。女の子には徹底した自立を、そして男の子には「家庭的な女性を求めない」教育を。

 本音を言えば、養ってもらう生活は時間の自由も、精神の自由も奪われるってことです。自由と責任は有料です。仕事を持つというのは、老若男女誰にとっても、最後は毅然(きぜん)と自分の思う方向へ歩いていけることだと思う。だから、家庭を持ち、子どもを育てて働こうとする人を周囲は平等に助けるべきだと思います。働く女性は何もかも背負わされ、ものすごく忙しい。それなのにスーパーのお総菜を買うと、「食育上よろしくない」などと責めるでしょ。ふざけてはいけませんよ、そんなことで追い込まないであげてください。子供が熱を出したら、父親が会社を休める世の中に早くなることを願っています。

自分探しの
迷路の抜け方

 仕事ってリアルな目的を持ったものです。自分を食べさせ、家族を養い、貧しさからくる苦しみや怒りに縛られないで自由に生きていくためのもの。でも、その中にきちんと「できるようになっていく」楽しさや喜びが詰まっている。働くこと、働き続けることが、まるで自家発電みたいに明るく人生を照らすし、頑張るためのエンジンになる。だから、自分で稼げる仕事をまず始めることが大事なんです。

 「自分探し」という、人を惑わせる言葉がありますね。そして「やりがい」を見つけようと諭す。それって冗談じゃないと私は思います。みんなのために、地域のために、社会のためにというあやふやなモチベーションが、人間を本気で仕事に向かわせられると思いますか。大人やマスコミは、若い人をきれいな言葉でだましちゃいけないですよ。

 どうやったら理想の仕事に就けるかではなく、どうやったらそれでお金になるかを考えれば道は見えてくるハズです。(談)

さいばら・りえこ ●漫画家。1964年高知県生まれ。武蔵野美術大学卒業。大学在学中の88年に連載漫画『ちくろ幼稚園』(小学館)でデビュー。97年『ぼくんち』(小学館)で文藝春秋漫画賞、2004年『毎日かあさん カニ母編』(毎日新聞社)で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞などを受賞。他の主な著書に『上京ものがたり』『営業ものがたり』(共に小学館)、『パーマネント野ばら』(新潮社)、『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(理論社)他多数。テレビアニメ『毎日かあさん』(テレビ東京系)放映中、11年には実写映画化が予定されている。公式サイト「鳥頭の城」http://toriatama.net