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Vol.72 後編

異なる作風の核にある
「人の生死」

 作品ごとに表情がガラリと変わる。設定や文体に、一つとして同じものがない。そこが平野啓一郎さんの作品の大きな魅力だ。「それでも自分の興味の核にあるのは『人の生死』ということ。それは変わらない。自分が本気で没頭できるものしか書かないというのも一貫しています」

 デビュー当時と違うのは作家としての姿勢。その頃は読者のことなど考えず、ひたすら自分の書きたいことだけに執着し、集中していた。

 「そこである程度、自分なりの手応えをつかみ、自分に『できること』を探る時期を経て、今は作家として『すべきこと』を考える段階。実際、30代になって『すべきこと』をすごく意識しています」

 ここ数年、現代社会を凝視し、分析しながら、今の時代をどう生きればいいのかを問うような作品が多かった。だが昨年の震災以降、その閉塞(へいそく)感を打ち破るべく、分析的なアプローチではない、素直に楽しんでもらえるような幻想的な小説を書きたくなってきているという。

 「先が読めない時代。小説を読んでいるひとときぐらいは、非現実的な世界で心を躍らせてほしいし、今はそういうものを書くことが『すべきこと』かなと。もちろん、作家はリアリストでなければいけない。非現実的な世界を描くにしても、現実に何が起きているかを把握していないと人の心に届くものは書けませんから」

得意なことを
選んで伸ばす

 中学の頃、周りとは「何かが違う」と感じていたにもかかわらず、同級生たちにはなぜか慕われ、何度も学級委員に持ち上げられた。平野さんが「昨日あったこと」を話し始めると、面白いからと知らない間に人だかりができる日々だったという。

 「僕もみんなを楽しませたくて、本当にあったことをベースにしながら、かなり創作を交えたフィクションを話したりしていました。作文も面白おかしくフィクションを書くものだと思って、ずっとそうしていた。そんなあの頃と、今も基本的な生き方、創作スタンスは変わっていないのかもしれません。だからもし作家になっていなかったら、ただのうそつきで終わっていたかも」(笑)

 「でも、物語を作るのが好きというより得意だったからこそ、今の位置までこられたような気がします。得意なことは努力次第でどんどん伸びるし、必ず好きになれる。若い人にもそんな視点で適職を選んでほしいですね」

 クールに見えるが、心で書く人。内発的なものを信じ、執筆に向かう。だからこそ彼の作品は圧倒的なエネルギーに満ちている。

(井上理江=文 田中史彦=写真)
次回は松居大悟さんが登場。4月15日(日)に掲載する予定です。

平野 啓一郎
ひらの・けいいちろう 京都大学法学部卒業。大学在学中の1998年に発表した『日蝕』で第120回芥川賞を受賞。主な著書に『葬送』『決壊』『ドーン』『かたちだけの愛』など。5月31日(木)から新国立劇場で上演予定の「サロメ」(オスカー・ワイルド作、宮本亜門演出)で翻訳を担当。この戯曲は4月12日(木)に光文社古典新訳文庫から刊行予定となっている。
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