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Vol.80 前編

予定調和な芝居ではない
伝わるパフォーマンスを

 舞台上で水や物が飛び散り、時々人間も飛ぶ。まるで嵐の一瞬を切り取ったかのような、一演目数分のパフォーマンス。同公演を行う集団、鉄割(てつわり)アルバトロスケット(鉄割)の主宰者が、戌井昭人さんだ。先日も芥川賞候補に挙がった作家でもある。

 このユニークな演劇スタイルのきっかけに、ニューヨークで詩の朗読大会に参加した大学時代の経験がある。

 英語はあまり話せなかったが、身ぶりを交え勢いで「般若心経」を朗読すると、なぜか異国の観客が沸いた。その時、長い物語を意味ごと伝えずとも、動きの伴う短い芝居でも十分伝えられるものがある、と現在の鉄割につながる手応えを感じたという。「予定調和な物語は壊した方がいいなと。ただの楽しそうな芝居になり始めると、今も舞台袖から物を投げたりします」(笑)

 戌井さんが、「壊す」芝居を目指す最初のきっかけともなったのは、大学4年次のとある演劇の授業だった。「ただセリフを読んで考えるそれまでの講義とは違い、自分たちで戯曲を解体していくものだったんです。登場人物たちの心の動きを読み取ると、作品がぐっと近づいてきて興奮しました」

 卒業後、文学座の研究所に1年ほど所属したのち、自分のやりたい演劇をやるなら今しかないと退所。文学座で出会った友人と「じゃあ、来月には公演をやろう」と、いっときも待てずに場所探しを始めた。

町内のおばちゃんも大学
教授も公演を観に来た

 東京の根津を歩いて探すうち、ある公民館にたどり着いた。「そこの管理人さんが、また無愛想なおじいさんで(笑)。その風情に魅せられ、即決でした」。だが公演の先例がないため、場所代の交渉も舞台づくりも全て一から。「しかも始まれば例の激しい芝居だから、物を壊してはよく怒られました。それでも町内のおばちゃんたちが『使いなよ』って古着を持ってきてくれたりもしましたね」

 彼らを構わずにいられなくなるのは町内の人々だけではない。「何回か公演をやり、著名人を呼んでみようということになったんです。それで翻訳家で大学教授の柴田元幸さんに手紙を書きました。柴田さんは著書に甘い物が好きとあったので『お団子つきます』って誘い文句を添えたりして(笑)。すると2回目の手紙で観に来てくださり、以来ずっと。だから初めて小説を書いた時も報告に行ったんですね。そうしたら『実は私も小説を書いたらと勧めようと思っていた』と。柴田さんにはいろんな意味で影響を受けていますね」

 今や作家としても脚光を浴び、その活躍は華々しい。「でも小説を書く前は鉄割すら辞めようと思い詰めてて……」。意外な一言が漏れた。

(井上瑶子=文 田中史彦=写真)
「後編」は8月5日(日)に掲載する予定です。

戌井 昭人
いぬい・あきと 1971年東京都生まれ。95年玉川大学文学部で演劇を専攻し、卒業後文学座付属研究所入所。翌年研究生に昇進するも退所し、97年「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。小説『まずいスープ』『ぴんぞろ』「ひっ」で3度芥川賞候補に。10月4日(木)からの舞台「季節のない街」(会場:あうるすぽっと)の脚本・演出を担当。
「マイナビ転職」からもご覧いただけます。

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