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Heroes File
Vol.97 前編

新緑の揺れが
決意させてくれた

 高2の春。新緑のモミジが折り重なり、風に揺れながら光と陰を成す様子があまりに美しく見ほれた。葉の形は似ているのに決して同じではない。一枚一枚揺れ方も違う。

 「オーケストラもこういうことなんだと強く感じたのと同時に、指揮者を目指そうと心の奥で決意した瞬間でした」

 穏やかな笑顔。たおやかで親しみやすい雰囲気。だが、指揮台に立つと一変。ダイナミックで華麗な指揮と、気迫に満ちた力強いまなざしで百戦錬磨の演奏家たちをまとめ上げ、多彩な音楽を紡ぎ出す。女性指揮者として世界を舞台に活躍する西本智実さん。

 音楽大学出身の母親の影響で幼い頃からクラシックに親しんで育った。小学4年の時、同じ曲でもレコードによって音色やテンポが異なるのが気になり、母親に尋ねると「指揮者が違うからよ」と教えられた。それから指揮者に興味を覚えたという。

 「指揮者は楽器を持っていないのに音楽を自由に変化させてしまう。そこが不思議だったし、魅力を感じました」

 大阪音楽大学在学中から、現場を知りたくて地元のオペラ団体で現場での仕事を始めた。「譜面の仕上げ、照明や字幕の合図出し、ピアノの代役など何でも手伝いました」

 やがて副指揮も任されるようになる。リハーサルの数カ月間、本番指揮者に代わって団体の指揮をする仕事だ。

リハーサルが私の
本番だった

 「特にオペラは、歌手、オーケストラだけでなく、照明や美術、衣装など多くの人々によってつくり上げる総合芸術。それを現場で副指揮をしながら学べたことは何ものにも代えがたい貴重な経験でした。リハーサルとは言え、駆け出しの私にとっては本番。指揮者にとって理想的なアシスタントになることを目標に、気づいたことは率先してやりました」

 常に「この道でやっていけるのか」という不安はあったが、現場が楽しく、その仕事を通して、「区切りとして27歳で芽が出なかったら諦めよう」と考え、大学卒業後も副指揮を続けていた。

 そんな矢先、来日した海外の指揮者3人から立て続けに「君は指揮者になれる。留学しなさい」とアドバイスされた。「さすがに行かなければという気になり、半年後にロシアの国立音楽院へ留学しました」

 所持金は100万円。お金が底を突くと帰国し、アルバイトをしてロシアに戻るという生活を繰り返し、トータル2年留学。そして28歳の時、京都市交響楽団の指揮で国内デビュー。気づけば、指揮者としてやっていけるかどうかという迷いは消えていた。

(井上理江=文 小山昭人=写真)
「後編」は5月5日(日・祝)に掲載する予定です。

西本 智実
にしもと・ともみ 1970年大阪府生まれ。現在、イルミナートフィルハーモニーオーケストラ芸術監督兼首席指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団ミュージックパートナー、オリンパスホール八王子エグゼクティブプロデューサー。5月25日(土)に静岡市民文化会館にて「西本智実&黒柳徹子 オペラ語りコンサート」を開催予定。
「マイナビ転職」からもご覧いただけます。

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