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Heroes File
Vol.120 後編

人との会話に仕事の
ヒントがある

 コウさんが20代後半に入った頃、母親の李映林さんが「自分の夢をかなえたい」と料理研究家となった。当時いろいろなアルバイトで生計を立てていたコウさんは、忙しくなった母を手伝うようになり、それをきっかけに料理の道へ。

 「転機は雑誌『オレンジページ』の編集者が、ただのアシスタントの僕に料理に関する連載をやらないかと声を掛けてくれたことでした」

 思い切って始めてみると今までにない高揚感があった。「相手が何を求めているのかを必死に考え、そこに自分らしさを2割ほど加えてメニューを提案する。しかもそれが雑誌に掲載される。こんなうれしいことはなかった。スポーツ以上に刺激的に思えました」

 料理研究家としての実績はない。でも東京で一からやってみたいと31歳で上京。いくつか出版社の編集者に独立のあいさつを兼ねた年賀状を出すと徐々に仕事の問い合わせが来るようになり、とにかく全力で取り組んだ。「男性料理家がまだ少なかったので手探りの状態でしたが、常に感謝の気持ちを忘れず、どんな依頼にも真摯(しんし)に応じようと決めました。使う食材や料理の味、盛りつけまで納得がいくよう、試作は何度も繰り返しました」

 コウさんにとって出会いは創造の糧。レシピのヒントは打ち合わせや人との出会いに転がっているという。「だからこそ、人の話はちゃんと聞くよういつも心掛けています」

プライドは持たず
謙虚に取り組む

上京して3年目。NHKのテレビ番組でフィリピンを旅したことがある。世界遺産に登録されている棚田で米を作る15人家族の家に泊めてもらった。そこで15歳の長女が作ってくれた素朴な料理が格別においしくて忘れられない。

 「料理って素材や技術だけじゃない。食べてくれる人のことを思って作るのが一番大切なんだと気づかされました」

 国内外問わずさまざまな場所に食の取材で出向き、改めて自分の料理のルーツは母の味、大阪、そして韓国だと強く意識するようになった。しばらくしていろいろな人に味が変わったねと言われた。「僕なりの料理の芯みたいなものができたんだなと自信を持ちました」

 現在もレギュラーの仕事は20本近い。単発で入るものも多く、最近は講演会の出演依頼も増えた。「毎日忙しいとさすがにサボりたくなる日もあります(笑)。でも仕事って、それぐらい正直に付き合っていけばいいんじゃないかな」

 つらいならつらいと思う。あくまでも自然体。プライドも持たない。いつまでも自由に、新たな挑戦ができる人でいるために。

(井上理江=文 小山昭人=写真)
次回は「情熱人」で徳間書店の中郡暖菜さんを紹介。
9月7日(日)に掲載する予定です。

コウケンテツ
1974年大阪府生まれ。旬の素材を生かした簡単でヘルシーなメニューを提案。著書『子どものまんぷくごはん』『僕が家族に作りたい 毎日の家ごはん』ほか。テレビ朝日系「情報満載ライブショー モーニングバード!」に出演中。イベント「食からの健康づくりシンポジウム」に出演予定(ルネこだいらにて9月10日〈水〉午後2時から)。
「マイナビ転職」からもご覧いただけます。

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8月31日(日)、9月1日(月)付け朝日新聞朝刊も併せてご覧下さい。