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Heroes File
Vol.132 後編

階段を上るように
実績を積み上げる

 20代後半、本広克行監督の映画などに出演して脚光を浴びるも、役者の仕事は続かず再びバイト生活へ。そんなムロさんに警鐘を鳴らしてくれる人がいた。俳優でタレントのユースケ・サンタマリアさんだ。「このままバイトを続けていると、いつまでも上を目指せない。ムロ君自身に良くない」。その言葉を受け、30歳の誕生日を境にバイトを一切やめた。

 「自分を売り込む営業に力を注ぎました。お金を友達に借りるのはつらかったけれど、腹をくくったお陰で真剣味が増した。階段を一段ずつ上るように、役者の仕事に対して丁寧に取り組むようになっていきました」。そんな中、再び転機が訪れる。演出家の福田雄一さんとの出会いだった。

 「それまでは度胸試しに、台本に書いてないことを勝手にやっては監督に叱られてきました。ところが福田さんは全く逆で、アドリブをむしろ喜んでくれた。同じ覚悟を持ってコメディーに挑める戦友ができた気がして、何かが吹っ切れ、自信も芽生えました」

 今や福田組の常連。現在公開中の福田監督の映画『明烏 あけがらす』にもホストクラブの店長役で出演し、ムロさんらしい、おかしみのある芝居を炸裂(さくれつ)させている。「今回も『思いついたことをやっていいから』と言われたので、目を細めたり、無駄に瞬(まばた)きしたりして本気でふざけまくってます(笑)。アドリブにはセリフだけでなく、空気や間も含まれているのですが、それらも楽しみながら演じることができました」

気持ちを支えたのは
数学的帰納法

 今年39歳。ここにきて人気急上昇のムロさんだが、今の自分があるのは、20代の間ずっと「自分はどうなりたいのか」ということに長く向き合ってきたからだと語る。「なぜダメなのか。その原因は探さず、どうしたらうまくいくかだけを考え、常に前を向いてつらさを乗り越えてきました」

 理系出身のムロさん。その愛する人生のバイブルは、高2の時の「基礎解析」の教科書。今でも迷いが生じたら開くそうだ。「数学的帰納法が僕の考え方の基本です。これは最初に命題を立て、それが全ての条件において正しいことを証明する手法。これにのっとることで、シンプルに自分のやるべきことが見えてくるんです」

 今後の目標は、代表作となる主演作品を現実のものとすること、そして2008年から続けている自ら脚本・演出を務める舞台「muro式」をさらに面白いものにすること。

 役者としての実績をもっと重ねないと、つらい思いばかり味わった20代の頃の自分に悪い。「彼に笑ってほしいから、まだまだ頑張ります」

(井上理江=文 小山昭人=写真)
次回は写真家の川島小鳥さんを紹介。5月24日(日)に掲載する予定です。

ムロツヨシ
1976年神奈川県生まれ。東京理科大学理学部数学科中退。単独で舞台活動を開始し、2005年『サマータイムマシン・ブルース』で映画デビュー。出演作に映画『幕が上がる』、ドラマ「アオイホノオ」など多数。NHK総合「LIFE! 〜人生に捧げるコント〜」に出演中。映画『明烏 あけがらす』が5月16日から新宿バルト9ほか全国にて公開中。
「マイナビ転職」からもご覧いただけます。

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