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Heroes File
Vol.186 前編

 今春発売された朱野さんの新著『わたし、定時で帰ります。』が好調な売れ行きを続けている。主人公は定時退社がモットーの、IT企業勤務の結衣。上司が決めた無謀なプロジェクトを物語の主軸に据え、結衣と周りの人たちが仕事とどう向き合い、苦悩をどう乗り越えていくかを描いた、新感覚のお仕事小説だ。

 「会社の困った人の話を書いてみませんか?という担当編集者の提案が始まりでした。最初は、私のようにとにかく仕事を懸命に頑張るタイプを主人公にしようと考えたんです。でも、ゆとり世代の編集者が『上の世代が仕事に命を懸ける意味が分からない』と。その言葉にハッとさせられ、自分と異なる仕事観を採り入れるのもいいなと思い直して、残業をしないと心に決めた女性を主人公にしました」

 朱野さんは子どもの頃から本が好きで、小説家を夢見ていた。しかし、大学時代に現役作家の講師から「作家はベストセラーでも出さない限り食べていけない」と聞かされ、普通に会社員になろうと就職活動を始める。とは言え時代はまさに就職氷河期。ことごとく落とされ「1社落ちる度に、あなたはいらない人間だと烙印(らくいん)を押されているようで苦しかったです」。そんな過酷な就活の経験が、朱野さんを社畜のようにがむしゃらに働く人間にした。

 「何とか小さなマーケティング会社に入社することができたものの、人一倍仕事を頑張らなければ会社にいられないという恐怖心が常にありました。それが原動力と化し、本当に死ぬ気で働いていました。決してブラック企業ではなかったのですが、自分で自分を追い込んで体を壊したこともありましたね」

 その会社を7年勤めて退職。辞める少し前から小説を書き始めていたのがきっかけだった。「プレゼン用の資料作成が繁雑で、毎回膨大な時間を掛けていました。そんなある日ふと空しくなり、その時間をそのまま夢だった小説に費やしてみたくなったんです。それで小説の学校に通い、幾つかの新人文学賞に応募。それだけで気が大きくなって『私は小説で食べていきます』と言って会社を辞めました」

 当初は派遣会社に登録して定時で終わる仕事をしながら小説を書くつもりだった。でもリーマン・ショックが起こり、更に賞の落選通知も来て……。のんきになんてしていられないと思い、急きょ転職活動を開始するのだが、そこでミラクルが起こる。「食品会社の内定通知と同時に、ダ・ヴィンチ文学賞の大賞受賞のお知らせが届いたんです。思いがけず二足のわらじを履くことになりました」

(井上理江=文 小山昭人=写真)
この広告企画の後編は7月29日(日)に掲載する予定です。

朱野 帰子
あけの・かえるこ/1979年東京都生まれ。2009年『マタタビ潔子の猫魂』で第4回ダ・ヴィンチ文学賞の大賞を受賞。15年には『海に降る』が連続ドラマ化。3月30日に発売された最新刊『わたし、定時で帰ります。』は新時代を告げるお仕事小説として注目を浴びている。
「マイナビ転職」からもご覧いただけます。

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